小諸 里山の愉しみ

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2010年 04月 01日

京都 古書店繪圖

京都 古書店繪圖_b0120165_1656186.jpg

この写真,某S毎新聞のKent記者風に撮ってみたつもりなんです。
さてこの繪圖、本字(「旧字」と呼ぶのはいかがなものかと思いまして。)でタイトルが書かれているところからして,正しい繪圖です。うちの美大生女子が馴染みの古本屋さんから頂いてきたものです。
京都市街のどの業種の店舗にも言えることですが,狭い間口の個人商店が軒を連ね、古格な品のある店舗で店主自らが良しとした品を少しずつ置いてある光景はそのままこの都市の元気度を表していますし、街の魅力を陰に陽に支えているものだと思うのです。
そのうちでも特に大好きなのは,古本屋さん。最近親子でお得意の店は,京都造形大學近くの「紫陽書院」と「二宮書房」。前者は目立たない裏通りのさらにその目立たないところにある、数坪程度の本屋で,さすがに芸術大学の近くで、ギャラリーも多いせいでしょうか、とくに美術書が充実しています。ここでは一年前,ヘーゲルの岩波の文庫本と、司馬遼太郎のやはり文庫本を買いましたっけ。
さて、「二宮書房」。これがさらに良い!実はこの名前,親子で勝手につけたこの店のあだ名なんです。店の前、白川通りに面した歩道に小さな二宮尊徳翁の石像が置いてあるからです。店の前に「冷やかしお断り」と書いてあるので,最初は入るのにちょっと躊躇してしまいました。冷やかしのつもりでなくても、欲しい本がなかった場合、空身で小さい、他に客もいない店を出てくるわけにいかないような雰囲気が漂っておりましたから。幸い,店頭にこれまた司馬遼太郎の単行本を見つけましたので,それを手にもって中に入ってみますと,驚いたことには,やはり数坪の狭い店舗の真ん中に書架をどかすようにしてレコードプレーヤーを置いて,クラシックの名曲を書けていたのです。一瞬時代と場所を間違えたようなクラクラ感に襲われました。もう、これだけでこの二宮書房の大ファンになってしまいました。その上その店主の古典的な愛想のなさもまた良くて。
後日,やはりヘーゲルの書が欲しくて,折角だから他ではなく、この書店でと思いまして,うちの美大生女子に買いにやらせて、「ヘーゲルの『精神現象学』、ありますか?」と聞かせますと,いやその店主のオドロイタこと、たまげたことといったら。この赤毛の女子が今何て言ったんだ?としっかり念を押される始末だったとか。この辺りのでこぼこのやりとり、いつか当事者であるうちの美大生女子が披露してくれたらいいんですが。さて、ほこりを被って,ずっと奥の方にあったそれを捜してきて、しかも永く売れなかったからと言って,おまけしてくれたんだそうですよ。皆さんも「二宮書房」、京都においでやしたら,なにぶんごひいきに。(よだ きょうのふるほんやだ〜いすき すろうりぃ記す)  

by satoyama-06 | 2010-04-01 17:45 | 京都


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