小諸 里山の愉しみ

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2010年 11月 01日

文化の灯

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本日どくしょ森京都特派員から報告がありました。
それによりますと、このブログで、二、三回記事にも取り上げました北白川の「二宮書店」がなんと!閉店したとの事です。愕然としました。うちの特派員が白川通りを歩いておりますと、なんか変だなと思って通り過ぎた後、そう言えば二宮書店に気が付かなかったというので、念のため引き返して確認してみると何と空き店舗になっていたと!その店の前に置かれていた小さな二宮金次郎少年の石像も撤去されていたとのことです。ガラス面にはテナント募集の紙片が貼られ・・・
この書店、すろうりぃ個人が利用したのは、ほぼ一年前の一回切りになってしまいましたが、その一回切りの利用で大ファンになってしまった古本屋でした。以前の記事にも記しましたが、「冷やかしお断り」の張り出しの、排他的で、営業を(ある程度)拒否するようにさえ思える文面に、ショックを受けました。勇気を持って、店内に入りますと、さらに驚きました事には、広くない店内の真ん中に書架をどけてレコードプレーヤーをば置いてレコードをかけていました。こんな古本屋はない!少なくともすろうりぃの見聞のなかでは未だかつてありません。
そのスタイリッシュな、しかも文化的な香りの高さに脱帽しました。本来は古本屋のあの独特な匂い・書棚に並んだ書籍群の産み出す雰囲気・場の時間の感覚と、音楽とは親和性がたいへん高いはずなのですが、その基本的な共感性に気づいている書店はない、あるいはれを営業の場に実践している書店はないようです。この点だけでもこの二宮書店は文化功労者賞を受賞する価値があると思うのです。(どうぞ、古本屋にも文化勲章の灯があたりますように!)
そこでこの二宮書店には「どくしょ森文化勲章」を差し上げます!まあ、権威のケの字もないのですが、読書の森から最大限の敬意と慰労の念を込めて、せめても。
本日の記事はそれだけでは終わらないのです。その二宮書店を下ガル最初の辻を東にわずかに入った銭湯「北白川温泉」が廃業していたそうです。これも一年前京都旅行の際入った銭湯なのです。(その帰り道にたたまたま寄ったのが「二宮書店」でした。)その昭和レトロそのものの雰囲気が貴重な文化遺産と言っていい銭湯でした。銭湯文化自体が現在衰退しているのだと思いますが、京都ではその文化をば保護発展させていける土壌はあると思うのです。
京都の古本屋さん、銭湯屋さん、あなた達は大切な文化の灯です。どうぞ、気ばっておくれやす。困った事があったら何でも言っておくれやす。でも・・・別にどうすることもできませんけど。(よだ ふるほんやとせんとうのたのしみ すろうりぃ記す)

by satoyama-06 | 2010-11-01 23:58 | 京都


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